レバナスとは?|FIREを目指して積立するリスクとリターンを考えてみます

投資銘柄・投資方針

今回は、近年話題の「レバナス」について改めて紹介し、FIREを目指してレバナスを積立するリスクとリターンについて考えていきたいと思います。

レバナスに関しては、TwitterやYouTubeなどのSNSでも取り上げられることがかなり多く、その存在について知っている人も多いでしょう。

SNSにおけるレバナスに対しての意見は下の記事でまとめています。

私もレバナスを9ヶ月ほど積立しているので、積み立てている中での実際の感想も交え、レバナスについてお話ししていきたいと思います。

○この記事をおすすめできる方

  • レバナスに興味を持っている方。
  • 実際にレバナスを積み立てている人の感想を知りたい方。

1 レバナスとは

まず、レバナスとは、「NASDAQ100指数の値動きの2倍程度となることを目標としたファンド」のことを指します。

2022年4月現在、この「レバナス」と呼ばれている商品が以下の2つあります。

  • 「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(大和アセットマネジメント)
  • 「楽天レバレッジNASDAQ-100」(楽天投信投資顧問)

今回は、この2つのレバナスについて見ていきます。

1 レバナスの基本的なスペック

①「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(大和アセットマネジメント)

「iFreeレバレッジ NASDAQ100」
コンセプトNASDAQ100指数の値動きの2倍程度となること
純資産総額1,798億円(2022年4月)
運用開始年2018
銘柄数101銘柄(2021年12月末)
経費率0.99%

②「楽天レバレッジNASDAQ-100」(楽天投信投資顧問)

「楽天レバレッジNASDAQ-100」
コンセプトNASDAQ100指数の値動きの2倍程度となること
純資産総額266億円(2022年4月)
運用開始年2021年
銘柄数101銘柄(2021年12月末)
経費率0.77%

「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(以下、大和レバナス)、「楽天レバレッジNASDAQ-100」(以下、楽天レバナス)もNASDAQ100指数の値動きの2倍程度となることを目標としているファンドとなっています。

大和レバナスは、2018年に運用を開始しており比較的歴史が長いですが、楽天レバナスは、2021年に運用開始された比較的新しいファンドです。

インフラマン
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ちなみに楽天レバナスの方は、HPにも「愛称:レバナス」という記載があります!

2 NASDAQ100指数の構成銘柄

レバナスは、NASDAQ100指数に連動して値動きが変動していきますが、その構成銘柄と比率は2022年12月現在のところ以下の通りとなっています。

順位銘柄名比率
1アップル13.91%
2マイクロソフト11.50%
3アマゾン・ドット・コム7.81%
4テスラ4.57%
5アルファベットC4.21%
6メタプラットフォームズ4.16%
7アルファベットA3.99%
8エヌビディア3.38%
9ASMLホールディング1.44%
10アドビ1.39%
エイチエス証券HP(https://www.hs-sec.co.jp/foreign_equity/usd_sp500-nasdaq100.htm)
を参考に作成(2021年12月現在)

IT巨大企業のGAFAMや電気自動車大手テスラなど、今をときめく企業の構成比率が非常に高くなっていますね。

また、上位10名柄への投資比率が50%以上となっており、NASDAQ100指数の中でも投資金額には偏りがあることが分かります。

3 NASDAQ100指数の構成セクター

順位セクター比率
1情報技術47.4%
2コミュニケーション・サービス20.0%
3一般消費財・サービス18.8%
4ヘルスケア6.3%
5生活必需品5.0%
6資本財・サービス1.8%
7公共事業0.7%
日興アセットマネジメントHP(https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/nikko_etf/nasdaq100#text2-1)
を参考に作成(2020年11月現在)

NASDAQ100指数は、時価総額の大きな金融セクターを指数から除外しているため、情報技術やコミュニケーション・サービスセクターの構成比率が高くなっています。(2020年11月時点)

4 経費率

信託報酬を比べてみると、大和レバナスは0.99%、楽天レバナスは0.77%(2022年4月現在)となっており、楽天レバナスが優位となっています。

商品名信託報酬
「iFreeレバレッジ NASDAQ100」
(大和レバナス)
0.99%
「楽天レバレッジNASDAQ-100」
(楽天レバナス)
0.77%
インフラマン作成

しかし、信託報酬以外のコスト(いわゆる隠れコスト)もあり、一概にどちらが優位か判断できないところです。

2 積み立て始めてからの実績

私は「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(大和レバナス)を積み立てています。

このレバナスの積立を始めたのは2021年7月7日なので、この記事を執筆時点で9ヶ月ほど経過しています。

約定日購入金額(円)元本累計(円)時価総額(円)損益率
2021/7/710,00010,00010,000
2021/7/1240,00050,00050,300+0.6%
2021/8/610,00060,00061,440+2.4%
2021/9/710,00070,00076,720+9.6%
2021/10/710,00080,00078,400-2.0%
2021/11/810,00090,000100,530+11.7%
2021/12/710,000100,000109,800+9.8%
2022/1/1110,000110,000124,740+13.4%
2022/1/2840,000150,000138,300-7.8%
2022/2/710,000160,000157,440-1.6%
2022/3/710,000170,000145,690-14.3%
2022/4/710,000180,000172,800-4.0%
合計180,000180,000172,800-4.0%
インフラマン作成

基本的には月10,000円の積み立てを行っていますが、積立初期の2021年7月と、2022年1月の下落時にスポットで購入しています。

2022年1月の下落前では、+13.4%の含み益となりましたが、わずか2ヶ月ほどで-14.3%の含み損まで一気に転落しました。

インフラマン
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やはりレバレッジの威力が凄まじい…。

この間のチャートは以下の通りです。なおここでは、同じくNASDAQ100指数の2倍の値動きを目指すETFである「QLD」のチャートを紹介します。

引用元)Yahoo!finance:https://finance.yahoo.com/quote/QLD/chart

やはりチャートでも2021年の年始から3月までの下落具合がよく分かりますね…。

3 レバナス積立投資を行うリスク

このレバナスに積立投資を行うことへのリスクについてお話しします。

1 株価揉み合い時の逓減リスク

1つ目のリスクは、株価揉み合い時の逓減リスクです。

逓減リスク(減価リスクとも呼ばれる)は、徐々に資産が減っていくリスクのことです。

下の図のように上昇と下降を繰り返した場合、通常のNASDAQ100指数に連動するインデックスファンドは、100から100へと最終的には同じ価格になります。

しかし、2倍の値動きをするレバナスは、元々の金額に達していないことが分かります。

インフラマン作成

ずっと値上がりしていくような局面では、レバレッジ型が威力を発揮します。

しかし、現在の株価水準で横ばいになり続けていった場合には、通常のNASDAQ100指数に連動するインデックスファンドよりも資産が減ることとなります。

インフラマン
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上下した「金額」ではなく、上下した「割合」に2倍をかけていくのでこのような現象が起きます。

もちろん値下がりしていく局面では、より資産が減っていくスピードが上がります。

近年のような値上がりがいつまで続くかどうか不透明ですし、横ばいの値動きがずっと続くという可能性も考慮しなければなりません。

2 手数料の高さ

2つ目のリスクは、手数料の高さです。

大和レバナスの信託報酬は0.99%、楽天レバナスの信託報酬は0.77%と他の投資信託と比べると高い水準です。

商品名信託報酬
「iFreeレバレッジ NASDAQ100」
(大和レバナス)
0.99%
楽天レバレッジNASDAQ-100」
(楽天レバナス)
0.77%
iFreeレバレッジ S&P5000.99%
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス0.495%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)0.0968%
インフラマン作成

他のレバレッジ型投信と比べると、レバナスの信託報酬が高いということはありませんが、他のインデックスファンドと比べるとやはり高いと言えます。

短期ではそこまでの差にはなりませんが、10年・20年で考えた際には、数万円・週十万円の差になってくるので、馬鹿にできない問題だと思います。

4 積立投資で得られるリターン

ただ逆に、レバナスに投資することで得られるリターンも十分にあると考えています。

1 NASDAQ100指数の可能性

1つ目のリターンはNASDAQ100指数自体の可能性です。

NASDAQ市場には米国外の企業も上場していることや、積極的な投資を行い赤字となっている新興企業においてもNASDAQ100指数の対象となることから、次の時代を創るような新興企業にも投資が可能です。

そういった、将来有望な企業に対して投資ができるというのも、NASDAQ100指数の魅力であると言えます。

10年前には「テスラ」なんて会社を知りませんでした。

また、1年に1回は銘柄の入れ替えを実施しており、自動で銘柄選定をおこなってくれる点もNASDAQ100指数に投資を行うメリットになっています。

そして、ITの巨大企業となったGAFAMに対しても多く投資できる点、それ以外の近年台頭している、NetflixやZoomなどの企業にも投資を行うことができる点も、大きな魅力と言えますね。

2 何倍ものリターンを狙える可能性

2つ目はリターンが何倍にもなるかもしれないという可能性です。

ここで、NASDAQ100インデックスとレバナスのリターンを比較していきたいと思います。

下は、NASDAQ100指数に連動するETF「QQQ」と、NASDAQ100指数の2倍の値動きを目指すETFである「QLD」の比較になっています。

引用元)portfoliovisualizer:https://www.portfoliovisualizer.com/backtest-portfolio

ここでは、QLDの設定年である2006年からのチャートを比較していきます。QLDの設定月である2006年6月から2022年4月まで、毎年1,200ドルの積立を行っていた仮定です。結果として、

  • QQQ:112,000ドル
  • QLD:397,000ドル

になり、QLDが大きく資産を伸ばした結果となりました。

今後も右肩上がりでNASDAQ市場が成長していけば、レバレッジをかけて投資を行った方がより多くのリターンを得ることができます。

インフラマン
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うまく時流に乗ることができれば、大きく資産を伸ばせます!

ただ、この結果は投資初期にリーマンショックで大きく下落した後、近年の米国株の好調さに影響を受けて値上がりしたものなので、今後必ずしも同じような結果になるとは限りません。

また、取り崩していくフェーズになった際に下落が来てしまった場合には、大きなダメージを受ける可能性もあるので、注意しなければなりません。

それでも、夢を追うためにサテライト資産としてレバレッジをかけた投資を行うのは、個人的にはアリだと考えています。

5 まとめ

今回は、「レバナス」についての紹介と、レバナスを積み立てることのリスクとリターンについてお話ししました。

「レバナス」を積み立てることについては、賛否が分かれるところではありますが、投資は自己責任でやるべきですので、投資するかどうかは個人の自由です。

インフラマン
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リスクとリターンを自分で考えた上で、納得して投資するのが大事!

レバレッジ投資に興味がある場合は、少額で始めてみて自分がどこまでリスクを許容できるのかを体感した上で、投資を続けていくのが良いのではないかと、個人的に感じています。

レバナスについて、もっと情報を得たい!という方は、下の記事を参考にしてみてください。

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○「レバナス」はNASDAQ100指数にレバレッジをかけた商品

○リスクもある分、狙えるリターンも大きくなる可能性がある

○始める場合は少額でスタートしてみるのが無難

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