今回は、デール・カーネギー氏の著書、「道は開ける」についてお話ししていきます。
以前紹介したデール・カーネギー氏の著書、「人を動かす」に続き2冊目です!
世界的な名著、「HOW TO STOP WORRYING AND START LIVING」の翻訳版で、悩みへの向き合い方に関するバイブルとなっている本です。
「人を動かす」と同様、今回も「文庫版」をご紹介していきます。
デール・カーネギー氏の他の名著については下の記事で紹介しています!
1 この本を手に取った理由
悩み:いつまでも悩んでしまうこと
いつまでも悩んでしまうことが悩み…。変な文章ですが、こういった方は多いのではないでしょうか。
私は行動に移す時、何回も悩みに悩んで決断を下すことが多いです。
もちろんちゃんと考えてから行動することで得をしてきたことは多いのですが、直感で瞬間的に動いた方がいい場面でも、悩んでしまいチャンスを逃してしまうこともありました。
また、悩むだけ悩んで行動しないということもあり、自分の中で悩みに対してどう向き合っていくかはかなり大きな課題でした。
頭では、「失敗してもいいから行動してみろ」というのも分かっているんですが…。
悩むことで時間がかかってしまうだけならまだ良いですが、ひどい時にはストレスで食欲がなくなってしまったり、お腹が痛くなってしまっていました。
悩むことで健康にも影響が出てきてしまうことは身をもって分かっていたので、その身体の不調に対しても解決方法があれば知りたいということで、この本を購入しました。
2 本のまとめ
筆者のメッセージ
筆者は、この本の中で、「人間の悩みとはどういうものなのか」、「その悩みを克服するためにはどうすれば良いのか」というテーマで論を進めています。
カーネギー氏自身も幼い頃から色々なことに悩んできました。
例えば、子供の頃の「雷に打たれて死んだらどうしよう」や、「死んだら地獄に行かないだろうか」といった非現実的な悩みもありますし、
青年になってきて、「結婚できないのではないか」などの現実的な悩みもあります。
ニワトリになったらどうなるんだろう…。
ただ、カーネギー氏は人生の中で、こういった「悩み」の性質を理解し対処する方法を学び、実践してきました。
本書では、自身の経験を踏まえつつ、他の人の「悩み」の体験や、「悩み」に対して取った対処方法も紹介しています。
その中で、悩みとはどういうものかを理解してもらい、悩みに押しつぶされない人生を歩んで欲しいという筆者の思いを感じました。
本の構成
本書ではまず、
- 悩みに関する基本事項
- 悩みを分析する基礎技術
で悩みについての基礎知識を理解していき、
- 悩みの習慣を早期に断つ方法
- 平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法
- 悩みを完全に克服する方法
- 批判を気にしない方法
- 疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
にて具体的な方法を身につけていきます。
「人を動かす」と同じように、エピソードベースで作られているので単純に面白いですし、色々な人の考えを吸収できるので、視野が広がる感じがします。
3 読んでよかったと思う部分
本書では悩みと向き合う多くの実践的な方法が紹介されていますが、その中でも特に印象に残った3項目をご紹介します。
1 今日、1日の区切りで生きよ
1つ目は、「今日、1日の区切りで生きよ」です。
人間は、過去や未来を意識しながら今日という日を生きています。
その中で、「昔、あんなことしなければよかった」といった後悔や、「これからの生活をどうしよう」といった悩みが生まれてきます。
本書の中でも、色々な悩みを抱える中で、必要以上に思い悩み体を壊した人の例がいくつか紹介されています。
ストレスは万病の原因ですね。
その状態から抜け出すことができた考え方が、この「今日、1日の区切りで生きよ」です。
今日の自分が活動できるのは今日だけであり、過去を変えることはできず、未来も今日の積み重ねでしかありません。
そのため、今日何をするかということに目を向け、今できることだけを懸命に行うことこそが重要だということです。
これは、「砂時計はどんだけ頑張ってもその瞬間分の砂を落とす以上の働きはできない=その瞬間以上の働きはできない」という例えでも紹介されています。
今日を乗り切ることができれば、明日は明日の自分が頑張ってくれます。
遠い昔、遠い未来について悩む暇があれば、今できることを着実にこなしていきましょう!
今できることを懸命にやることで、自然と目の前の出来事に集中でき、悩む時間を減らすことが出来ます。
2 悩みに歯止めをかける
2つ目は、「悩みに歯止めをかける」です。
人間は悩もうと思えば、いくらでも悩むことが出来ます。
しかし、悩んだからといって、必ずしも正解が出るわけではありません。
少し考えてみて答えが出なければ、今の状態に固執するのではなく、行動を変えた方がはるかに早く事態が改善したというケースはよくあることだと思います。
だからこそ、「悩みに歯止めをかける」ことで、違う視点から物事を見る必要があります。そのためには、
- そもそも自分が悩んでいることはどのくらい重要なことなのか
- どこまで(段階・時間など)考えて結論が出なければ、悩むことをやめるのか
といった基準を設けておくことが紹介されています。
人間はいくらでも悩めてしまう以上、客観的な時間を設けて悩む時間を制限してしまうことで、悩む時間やストレスを減らすことができます。
3 死んだ犬を蹴り飛ばす者はいない
3つ目は、「死んだ犬を蹴り飛ばす者はいない」です。
これは不当な批判をされている時は、大抵みんなの注目を集めている時か、嫉妬されている時であるということの比喩です。
だからこそ不当な批判を受けた時には、自分が成功して目立っていると自分を誇らしく思い、自分らしくいるということが重要です。
例えば、SNSやYoutubeのコメント欄に「アンチ」からコメントがきている様子をよく見かけます。
もちろんその人が100%悪いことをしているのであれば、そういったコメントを書かれるのはわかるのですが、大抵の場合はそうではありません。
嫉妬や妬み、単なる暇つぶしで書いているようなコメントも多く見かけます。
ただ、こういったコメントが目立つのは登録者やフォロワー数の多いいわゆる「インフルエンサー」がほとんどかと思います。
それ以外でも誹謗中傷のコメントはよく見かけますけどね…。
有名であることの宿命だと思って割り切るのが精神的にいいのかもしれませんね。
こういった現象は現実世界でも起こることですよね。
テストの点数がいい人がカンニングしたのでは?という疑いを向けられたり、容姿に優れた人が実は性格が悪いなどの噂をされたり…。
自分に向けられた批判を受け流すのは相当難しいと思いますが、不当な批判をしてくるのにはそういった理由があると覚えておくだけでも、ストレスをかなり減らせるのではないでしょうか。
4 考えたこと
今回は、「道は開ける」をご紹介しました。
私たちが抱えている悩みについて、その性質や対処方法を教えてくれる素晴らしい本だと思います。
今回紹介した以外にも、悩みに対する様々な対処方法が紹介されています。
人間誰しも、何歳になっても悩みが尽きることはありません。
この本を読むことで、今後の人生でずっと使える知識が身につくとも言えるので、ぜひみなさんにも読んでみて欲しいなと思います。
デール・カーネギー氏の他の名著が気になった方は、ぜひ下の記事も読んでみてください!
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