【書評】「人を動かす」(文庫版)|人間関係を円滑にするテクニックがサクッと学べる本。改訂版の違いについても紹介します。

書評
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今回は、デール・カーネギー氏の著書、「人を動かす」についてお話ししていきます。

この本は、世界的な名著、「HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE」の翻訳版であり、多くの人の人間関係に関するバイブルとなっている本です。

日本で発売されている翻訳版にも何種類かありますが、今回はカーネギー氏が書いたトピックの中でも選りすぐりの部分を抽出して読みやすくした、「文庫版」をご紹介していきます。

価格も700円程度と買い求めやすいですし、文庫本なので紙派の方でも持ち運びやすいのが魅力です。

読んでみたいけど、最初から分厚い本は気が引けるという方におすすめしたいです。

後半で翻訳版の違いについても記載しているので、比較して選んでみてください。

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○おすすめできる人

  • 人間関係を良くするヒントを知りたい人。
  • あまり難しい本を読みたくない人。
  • 持ち運んで外でサクッと読みたい人。

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1 この本を手に取った理由

悩み:上司に当事者意識を持って動いて欲しかった

私は社会人1年目の冬にこの本を購入したのですが、その時仕事で、上司の異動があり新しい方が上司となりました。

その方は異動前、業務が全く異なる部署にいたため、私がその方に仕事について教え、自分で動いてもらう必要がありました。

私にとって、年上に対して仕事を教えるという機会はあまりなかったので、仕事内容の伝え方や仕事の中での接し方をどうすれば良いのかという悩みを持ち始めました。

また、その方は仕事に対する積極性が低く、どうすれば自分との信頼関係を築きながら、当事者意識を持って仕事をしてくれるかという点も考える必要がありました。

その中で出会ったのが、この「人を動かす」という本です。

この本(文庫版)の目次を見てみると、対人関係を良くする「原則」が並べられており、「上司と信頼関係を結び、上司に動いてもらう」という悩みを解決してくれそうだと感じ、購入しました。

2 本のまとめ

筆者のメッセージ

この本は、「人を動かす」という題で、日本各地で販売されていますが、原題は、「HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE」であり、直訳すると、

友達を獲得して人に影響を与える方法」となります。

つまり、信頼関係を築きながら自分の考えを伝え、行動に移してもらうということです。

カーネギー氏は本書で、こういった方法を身につけるためのテクニックについて紹介し、人生を豊かにするヒントを与えています。

仕事の場面の中では、

  • 部下と信頼関係を築きながら、部下に組織の中で活躍してもらいたいと感じている上司
  • 様々な役割を持つ人たちをまとめ、一つのプロジェクトを成功へと進めていきたいリーダー

など、多くの人が当てはまる悩みではないでしょうか。

本の構成

この本では、そう言った悩みを解決してくれる「原則」として、

  • 人を動かす三原則
  • 人に好かれる六原則
  • 人を説得する十二原則
  • 人を変える九原則

が紹介されています。

特に、人を動かす三原則として紹介されている、

  1. 盗人にも五分の理を認める
  2. 重要感を持たせる
  3. 人の立場に身を置く

が特に本書の核となっており、そのほかの原則の中には、この三原則をより細分化して言い換えたものも多く含まれています。

各章では、カーネギーがそのテーマに関するエピソードを紹介し、そのエピソードに対する各人の思いや、カーネギー自身の考えを紹介しています。

カーネギーの意見に傾倒するわけではなく、世間一般で起きたエピソードがメインなので、すごく客観性がある内容になっていると感じました。

また、エピソードベースなので内容としても面白く、どんどん読み進めていける本だと思いました。

3 読んでよかったと思う部分

紹介したい部分は多くありますが、今回は、私が特に読んでよかったと感じた「人を説得する十二原則」から3つ原則を紹介したいと思います。

1 誤りを指摘しない

一つ目の原則は、「誤りを指摘しない」です。

相手の主張が間違っていると思う場面は、仕事でもそれ以外の場面でも多くあると思います。その中でどう相手と議論を行い、和解に持っていくのか、そして自分の望むような結果を得るのかについて、エピソードを紹介しています。

その前提には、そもそも自分の考えていることが必ずしも正しいわけではないとい考えがあります。

セオドア・ルーズベルトの「自分の考えていることが、百のうち七十五まで正しければ、自分として考えうる最高である」という言葉や、

ソクラテスの「無知の知」(自分が何も知らないということを知っているということ)を紹介し、相手の考えにも正しい部分があるかもしれないという意識を持っておく余裕が必要です。

その意識を持った上で、相手の考えを良く聞き尊重することで、相手の譲歩を誘い、相手にも非を認めさせる結果となり、結果として自分の望む結果に近づくというわけです。

自分の考えを主張することは大事ではありますが、自分の考えを押し付けるのではなく、相手の考えをきちんと聞き一度飲み込んでみるほうが、結果として早く円満に問題を解決できるということを学びました。

ちなみにこれは、人を動かす3原則のうちの、「盗人にも五分の理を認める」というものに派生しています。

2 ”イエス”と答えられる問題を選ぶ

二つ目の原則は、「”イエス”と答えられる問題を選ぶ」です。

人と話す時には、

  • 意見が対立する部分ではなく、意見が一致している部分から話す
  • 相手が”イエス”と言いたくなる問いかけをする

この2点が大事であると書かれています。

最初から意見が対立している部分を話しても、相手の反発を食らうだけです。

まずは、双方の意見が一致している部分を探し、納得しながら話を進めていくと円滑に問題を解決できるようになります。

また、相手にイエスと答えたくなるような質問を繰り返すことで、議論を自分のペースに持っていくことができます。

これは、相手の立場に立って、相手の利益になるようなことを提示していくことになります。

人が行動に移すためには、そのことに対して心から納得していないと難しいです。

そのため自分からイエスと言わせ続けることで、議論に納得した上で行動に結びつけることができます。

商談を行ったり、お客さんと向き合って仕事をする人にとっては、特に身につけておきたいポイントなのではないでしょうか。

ちなみにこれは、人を動かす3原則のうちの、「人の立場に身を置く」というものに派生しています。

3 対抗意識を刺激する

三つ目の原則は、「対抗意識を刺激する」です。

この章では例えば、製造現場において、班ごとに具体的な数字を見せて競争させたり、誰かに任務を任せる際に競争心を煽ることで、人を奮い立たせ、高いパフォーマンスを発揮することができた事例が紹介されています。

人間、他の人に負けたくない気持ちもしくは、自分に負けたくない気持ちというのは、多少あると思います。

そういった「負けたくない」という気持ちを刺激することが、成果につながると紹介されていますし、個人的にも重要なことであると考えています。

達成不可能ではないけれど努力しないと達成できないことを頼みたい、と言った時にはこの方法を使ってみるといいと思います。

ちなみにこれは、人を動かす3原則のうちの、「重要感を持たせる」というものに派生しています。

4 本の違い

今回私が紹介したのは文庫版ですが、内容がよりパワーアップされていたり、出版社が異なるものがあります。

絶版になっているものや、漫画版などを除くと以下の種類がメジャーなものになっています。

出版社著者・訳者価格(税込)内容


創元社文庫2016D・カーネギー(著)
山口 博(訳)
715円・人を動かす三原則
・人に好かれる六原則
・人を説得する十二原則
・人を変える九原則

創元社単行本1999D・カーネギー(著)
山口 博(訳)
1,650円①+
幸福な家庭をつくる七原則

新潮社単行本2016D・カーネギー(著)
東条 健一(訳)
1,650円②+
敵を味方に変える方法
(2021年12月現在)

今回紹介したものは①の文庫版で、内容が凝縮されている分、価格は安くなっています。

②は単行本の改訂版で一番メジャーなものになっています。昔から読まれてきた定番です。内容も文庫版に加えて「幸せな家庭をつくる七原則」が追加になっています。

③は新潮社が出版している”完全版”で、内容も3つの中で一番多く、②に加えて「敵を味方に変える方法」が追加となっています。

どれを購入しようか迷ってしまった方は、実際に書店で手に取って見てみることをおすすめします。

5 考えたこと

今回は世界的な名著、「人を動かす」をご紹介しました。

長年読まれている本であり、紹介されているエピソードも大昔のことなのに、古臭さを感じさせない部分で、やはり普遍的なことが書いてるのだなと感じました。

職場内での人間関係に悩みを抱えている方や、取引先・お客さんへの対応に困っている方など、多くの社会人にとって有益な本だと思います。

文庫版でも単行本でも、ぜひ手に取っていただきたい本です。

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○世界的に長年読まれてきた、人間関係に関する名著

○特に社会人にとって有益

○文庫版・単行本、自分にあった一冊がおすすめ

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