今回は、デイル・ドーテン氏の著書、「仕事は楽しいかね?」をご紹介します。
2001年に出版されたこの本は、日本でもビジネス書のロングセラーとして書店に置かれています。
生活がマンネリ化しているのを感じているけど、なかなか現状を変えることができないと思っている方に読んでほしい本になっています。
1 この本を手に取った理由
悩み:仕事が楽しくない
この本を読んだのは、社会人1年目の2月でした。
就職直後は忙しい時期だったのと、仕事に慣れるのに精一杯だったので、仕事が楽しいかどうかなんて考える余裕がありませんでした。
ただ、社会人1年目の終わりごろになると仕事にも慣れてき始め、ちょうど仕事量も落ち着いてきたタイミングでした。
そうして時間に余裕が出てくると、仕事について色々と考える時間ができ、段々「仕事ってやっぱり面白くない」と思うようになっていきました…。
この頃「FIRE」を目指すようになりました!
FIREを目指していくものの、生活のために今の本業は当分続けていく必要があります。
どうせ仕事をしなければならないのであれば、楽しく仕事をしたいと思っていたところ、この本を見つけました。
2 本のまとめ
筆者のメッセージ
本の構成としては、空港で足止めを食らったビジネスマンと、同じく空港で足止めを食らった、発明家・起業家として巨万の富を築いた老人との対話形式となっています。
ビジネスマンは35歳。サラリーマンとして働いているものの、「微々たる昇給しか達成することができない…。」という陰鬱感を持っています。また、一度事業を立ち上げたものの頓挫しています。
何か新しいことに挑戦したいけれど、生活のために今の仕事をなんとなく続けているという状況です。
対話の中で、老人はビジネスマンに仕事で成功を収めるヒントを話し始めます。
そのヒントにおいて筆者がこの本で伝えたいのは、仕事で成功を収めたいのであれば、「試し続ける」ことが重要であるということです。
この中には、「試す」こと、それを「続ける」ことの2つの意味が含まれています。
試すこと
1つ目に大事なのは、「試す」ことです。
まず試してみないことには、どんな成果が得られるか分かりません。
仮に自分が思い描いた結果を得ることができなくても、それは失敗ではなく新しい経験です。
「失敗」を「経験」と捉えれば、気持ちも楽になります。
とりあえず打席に立てば、ヒットやうまくいけばホームランを打てるチャンスが高まりますよね。
続けること
2つ目に大事なのは、「続ける」ことです。
試してみた結果、自分の思い通りの成果が得られず、時間やお金を失ってしまうことも多々あると思います。
それでも成功したいならば、私たちは「試す」ことを続けなければなりません。
1回や2回でうまくいくことなんて滅多にありません。
これは仕事以外でも多くの人にとって経験があることだと思います。
子供の時に、何回も挑戦してできるようになったことってありますよね。
3 知って良かったと思う名言
本書では「試し続ける」ことの大切さについて、さまざまな具体例を用いて書かれていますが、その中でも特に知ってよかったと思う名言を紹介します。
○1つ目の名言
「彼らはね、他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしているんだ。」
「仕事は楽しいかね?」p.80
これは、私たちが成功を収めたいと思う時、自分の目指す成功と似た成功を収めた人のことを真似するということです。
例えば、ある業界で斬新なアイデアが流行し、それが素晴らしいものであるとの評判が広がった時、みんながそれに飛び付きます。
しかし、そのアイデアに飛びつく人は大勢いるので、うまくいってもその上位10%に入る程度の成功しか得ることができません。
思い当たる節、多いです…。
他人を凌いで成功したいのであれば、「並みの人」から一歩外に出ること、つまり「試し続ける」ことが必要なのです。
試し続けなければ、他の人と同じ土俵の上のままです。
○2つ目の名言
「もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?」
「仕事は楽しいかね?」p.116
これは、素晴らしいアイデアが自分の近くにあった際に、それに気づいて行動を起こせるか?ということです。
本書では、たまたま頭痛薬のシロップをソーダ水で割って販売された飲み物「コカ・コーラ」と、テント用の帆布を加工して作成したズボン「リーバイスジーンズ」の2例が紹介されています。
2つとも元々作ろうとしてできた製品ではなく、偶然できた大ヒットした製品です。
今でこそ人気で需要がある製品だということは分かりますが、もちろん誕生した当初はこんなものが売れるかどうかもわかっていなかったわけです。
それでも、新しいものを「試す」ことに果敢に挑戦し、販売戦略を考え「続ける」ことで、今の成功があると言えます。
○3つ目の名言
「新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。」
「仕事は楽しいかね?」p.157
これは、新しいアイデアは古いアイデア同士を掛け合わせてできるということです。
例えば、江崎グリコの「GABA」というチョコレートは、「機能性」×「チョコレート」という組み合わせで、おやつを食べたいけど罪悪感を減らしたいという層のニーズを獲得し、人気商品になっています。
普通の製品をただ作るだけではなく、何か違う要素を取り入れて成功を収めようというのは、どこの会社でも考えていることです。
もちろん新しく「試す」ことが失敗に終わることも多々あると思いますが、「試し続ける」ことが大事なことです。
試し続ければ宇宙からアイデアが降ってくるかも!
4 考えたこと
今回は、「仕事は楽しいかね?」の名言と要約についてご紹介しました。
もちろん仕事で悩む人にもおすすめの本ですが、仕事以外の場面でも「試し続ける」ことの重要性を教えてくれる本だと思います。
私もFIREという目標に向けて、色々試す中で失敗したと感じることも多く、これからもそういった失敗を多く経験することになるでしょう。
それでもめげずに「試し続ける」ことで、成功を勝ち取りたいと思います!
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