書評第一弾です!
今回はアメリカのFIREムーブメントの第一人者である、クリスティー・シェン氏とパートナーのブライス・リャン氏の著書、「FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド」をご紹介します。
FIREを目指し始めたあなたに、ぜひ読んでみて欲しい一冊です。
1 この本を手に取った理由
悩み:どのようにFIREを目指せば良いか具体例を知りたかった
私は、社会人1年目でFIREという考えを知り、FIREを実現しようと思い立ちました。
FIREを目指す!
しかし、どう目指せば良いのか、具体的にどんな行動をとれば良いのか全く分かりませんでした。
そんな中、FIRE関連の本を探していると、この本の帯に「30代で経済的自立を達成するための全技術」という記載があるのを発見しました。
「全技術」って書いてあると惹かれますよね…。
2 本のまとめ
筆者のメッセージ
お金を理解することで、人生は信じられないほど気楽になる。
そんなメッセージを込めて、この本は書かれています。
また、筆者は元々貧しい家庭で育ちましたが、FIREを達成するためには必ずしも恵まれた環境である必要は無いと語ります。
つまり、どんな人でもFIREを達成することができるということを読者に教えてくれます。
※もちろん、FIREを達成するためには相応の努力が必要でしょうし、家庭環境の差はFIREの難易度に影響をもたらすと思います。
FIREを達成するための大枠
筆者はFIREを達成するタイプとして、3つ紹介しています。
「ハスラー」、「投資家」、「オプティマイザー」の3つです。
それぞれの特徴を図にすると以下の通りです。
ハスラー | 投資家 | オプティマイザー | |
収入 | 非常に優秀 | 平均 | 平均 |
投資 | 平均 | 非常に優秀 | 平均 |
貯蓄 | 平均 | 平均 | 非常に優秀 |
そんな筆者は、「オプティマイザー」というタイプでFIREを達成しました。
「オプティマイザー」とは、支出を抑えて財産を築いていく人のことを指します。
このタイプは、一番再現性が高く真似しやすいという特徴があります。
確かに、節約なら真似しやすいかも。
ハスラーとして事業を大きく成長させて収入を増やしたり、投資家として安定して利益を出すのは、なかなか難しいですよね。
しかし、支出を抑えて財産を気づくことは、どんな人でも取り組むことができる上に、成果が確実に出るという特徴があります!
この本でも、「オプティマイザー」としてFIREを達成するためのヒントが多く散りばめられています。
私も「オプティマイザー」として、FIREを目指していこうと思いましたし、それが一番自分に合っていると感じています。
3 読んで良かったと思った部分
1 支出の減らし方について
筆者は支出を減らし、貯蓄を増やす「オプティマイザー」ですが、支出の減らし方にもコツがあるとのこと。
次のリストは、本から抜粋したものですが、
- 日々の生活の幸せとは関係のない支出の削減(携帯代など)
- 少し我慢しなければならない支出の削減(食費など)
- 維持費のかかるもの、想定外の出費の削減(車など)
- 幸せになれるものを少し消費(趣味や旅行など)
1〜3のステップで支出を減らしていくことで、無理なくFIREへと近づくことができます。
私も、こんな順番で支出を考えて減らしていきました。
- 携帯をドコモから楽天モバイルに変更
- ペットボトルの飲み物を買わずに水筒を持ち歩く、外食を控えめにする
- 自動車保険を必要最低限のプランにする、燃費を抑えた走り方でガソリン代を節約する
地方住まいなので、車は生活に必要不可欠なものです。
他にも「お金から見るキャリア選択の仕方」や「持ち家か賃貸か」といった点に関しても、本の中では触れているので、参考になると思います。
また、最後の4点目に「幸せになれるものを少し消費」が設けられていることがポイントです。
ただ、支出を減らしていくだけでは、ストレスも溜まりますし、豊かな人生とは言えないのでは無いでしょうか。
ここぞといいう時には、思い切って行ってみたかった場所に行って経験を積むのもいいでしょうし、没頭できる趣味に集中して、自分の時間を楽しむのも素敵だと思います。
減らすだけじゃなくて、幸せのためにもお金を使おうと言っているのが、この本の素敵なポイントですね!
2 4%ルール
この本では、「4%ルール」という考え方にも触れています。
支出を抑え、貯蓄ができてきた後、その貯蓄を債券、株式、コモディティ(金、原油)などの投資に回します。
そこで形成されたポートフォリオの4%の資金で1年間の生活費を賄うことができれば、貯蓄が30年以上持続する可能性が95%になる、というのが4%ルールです。
アメリカの大学(トリニティ大学)の研究結果だそうです!
「オプティマイザー」として支出を抑えることに重点を置いている筆者ですが、そういった節約や貯蓄だけでは、FIREの達成が難しいということですね。
しっかりと資産形成に取り組み、FIRE後はこの4%ルールに基づいて生活していくというのが筆者の基本戦略となっています。
分散投資・インデックス投資が効果的
4%ルールを運用するためには、ポートフォリオ内の投資対象を安定的なものにする必要があります。
つまり個別銘柄ではなく、投資信託やETFなどの分散投資が好ましいということです。
分散投資であれば、どこかのセクターの調子が悪くても、他のセクターでカバーしてくれることも多いよね。
その中でも、インデックス投資は手数料を差し引けば85%のアクティブ投資をアウトパフォームできるという結果が本書でも紹介されています。
つまり、ポートフォリオを構成するものとしては、インデックスの投資信託やETFが望ましいと言えます。
日本でいうと、つみたてNISAで全世界株式や全米株式にコツコツと積み立てていくことが、基本戦略となりそうです。
私もつみたてNISAを使って毎月投資信託の積立を行っています。
つみたてNISAについては、以下の記事で詳しく説明しています。
ポートフォリオの中身は?
本書によると、4%ルールに従っても5%の確率で、資金が底をつく可能性が発生します。
そのリスクを解消するための方法や、ポートフォリオの各資産の割合を調整するアセットアロケーションについても本書では紹介されています。
一度積み立て始めたらそれでおしまいではなく、景気や社会情勢に応じて適切に資産を運用していくことが求められるということが分かります。
具体的にどういった方法でポートフォリオを管理すれば良いか、についても本の中では紹介されているので勉強になりました!
4 考えたこと
今回は、「FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド」の書評でした。
私がFIREを知った直後に読んだ本で、とても刺激を受けたのを覚えています!
アメリカの制度が前提となっているので、日本に置き換えて考えてみないといけないとは思いますが、FIREにあまり馴染みのない人でも読みやすい本だと感じました。
この本が、投資や節約などの詳しい方法を調べてみるきっかけとなりました!
筆者は、自らを「オプティマイザー」であると言っていますが、一般人からみると「投資家」としての側面もあるように思います。
4%ルールの紹介や、アセットアロケーションという考え方は、投資初心者からすると、少し専門的な内容だと思いますが、本書ではわかりやすく説明されていました。
また、やはりFIRE達成のためには、支出の最小化→収益の最大化+投資 という流れが必要であると再確認しました。
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